</context> <raw_text>0 11時のNHKニュースです。日本製鉄によるアメリカの大手鉄鋼メーカーUSスチールの買収計画について、バイデン大統領は国家安全保障上の懸念を理由に禁止する命令を出したことを明らかにしました。日本企業によるアメリカ企業の買収が大統領の命令で阻止されるのはこれが初めてとなります。
同盟国である日本の企業の投資を大統領が阻止する異例の事態となりました。USスチールのデビット・フリットCEOはSNSのXで声明を発表し、「バイデン大統領の今日の行動は恥ずべきもので腐敗している。彼は経済・国家安全保障上の重要な同盟国である日本を侮辱し、アメリカの競争力を危険にさらした。
事実を知るために我々と会うことさえ拒否しながらこれらの決定を行った」と今回の決定を厳しく批判しました。その上で「投資こそが我々の会社や従業員、地域社会、そしてアメリカの素晴らしい未来を保障するものだ。我々はバイデン大統領の政治的な腐敗と戦うつもりだ」として、引き続き日本製鉄による買収の実現を目指す考えを強調しました。
今回のバイデン大統領の決定について、アメリカの有力誌ニューヨークタイムズは「アメリカで培われた開かれた投資という文化からの逸脱だ」と指摘しています。その上で「この措置によって海外の投資家は、政治的に重要な州に拠点を置く敏感な産業を担うアメリカ企業の買収が賢明なのかどうか考え直すこともあるだろう」として、
大統領選挙で激戦となった東部ペンシルベニア州にUSスチールが本社などを置いていることも判断に影響したという見方を示しました。そして「アメリカの同盟国でありアメリカへの最大の投資国の一つである日本との関係を混乱させる可能性もある」として、日米の関係にも影響を及ぼす恐れがあると指摘しています。ウォールストリートジャーナルは、
今回の決定は一貫して買収計画に反対してきたUSW全米鉄鋼労働組合の勝利だとした一方、「124年の歴史があるUSスチールの将来に暗い影を落とす」として、USスチールの今後の経営に懸念があると伝えています。またバイデン大統領による買収計画の拒否は、
アメリカ政府が自国の企業を保護する政策に傾いていることを示す最新の兆候だと報じています。次です。アメリカでは共和党が上下両院で多数派となる新しい議会が3日招集され、議長選では共和党のジョンソン氏が議長に再選されました。ただ一部の造反議員が説得に応じる形で、過半数を確保して再選されたものです。
アメリカメディアは「トランプ時期政権下の議会運営に不安が残る幕開けとなった」と伝えています。アメリカでは去年11月に大統領選挙と同時に行われた連邦議会の選挙結果を受けて、上下両院でトランプ前大統領の共和党が多数派となっています。新しい議会が3日招集され、このうち議長選では議長の選出が行われ、共和党のジョンソン氏が再選されました。ただ当初は、
必要となる議員の過半数の票を獲得できず、党内から造反した3人の議員のうち2人が説得に応じる形で、過半数を確保して再選されました。一部のアメリカメディアはトランプ前大統領が議員と話をして説得したと伝えています。トランプ氏は「ジョンソン氏は素晴らしい議長となり、国もその恩恵を受けるだろう。アメリカはかつてないほど偉大になる」とSNSに投稿しました。
議会構成は共和党で一人が議員辞職したため、民主党との議席数の差が縮まっています。議長選をめぐる一連の動きは党内の足並みの乱れを露呈したもので、一部のアメリカメディアは「トランプ前政権下の議会運営に不安が残る幕開けとなった」と伝えています。ここまで全国のニュース、三平がお伝えしました。時刻は11時5分になります。