<raw_text>0 日付が変わって6月29日(日)午前0時のNHKニュースです。日本の主力ロケットH2Aロケットは、今日未明の50号機の打ち上げを最後に運用を終える計画です。過去の打ち上げの成功率はおよそ98%と高い水準に達していて、最終号機でも成功し、日本の主力ロケットの信頼性をさらに高めることができるか注目されます。
H2Aロケットの最終号機となる50号機の機体は、昨日午前、鹿児島県の種子島宇宙センターで組立塔から出され、およそ500メートル離れた発射地点に据え付けられました。打ち上げ業務を担当する三菱重工業によりますと、
最終的な準備作業が続けられていて、今後の天候などに問題がなければ今日午前1時33分に打ち上げられる予定です。50号機には、環境省やJAXA(宇宙航空研究開発機構)などが開発した温室効果ガスなどを観測する人工衛星「いぶきGW」が搭載されています。
H2Aロケットは20年以上にわたり日本の主力ロケットとして数々の人工衛星を宇宙に運んできましたが、打ち上げ費用の高さなどから50号機で運用を終え、後継機のH3ロケットに完全に移行することになっています。
2003年に失敗した6号機を除いて全ての打ち上げに成功し、成功率はおよそ98%と高い水準に達していて、最終号機でも成功し、日本の主力ロケットの信頼性をさらに高めることができるか注目されます。宇宙工学に詳しい大道大学の沢岡明明学長はH2Aロケットについて、
今回打ち上げに成功すれば50回中49回成功という大変立派な成績となり、その信頼性は世界的にも高い。日本が宇宙開発先進国として世界から認知され、お墨付きを得られたという意味で非常に意義のあるロケットだったと述べました。そして、
同じロケットが長期間継続的に打ち上げられたことが、ロケットエンジニアの育成に果たした役割も大きいとし、継続的な打ち上げがないと関係する企業はトップ級のエンジニアを他の部署に移さざるを得ず、技術が途絶えてしまう。
技術は紙に書いたものではなく、人から人へ伝わるもので、生の情報が伝わる必要がある。その鎖をつなげたことは、将来の日本の宇宙開発にとって非常に重要なことだったと振り返りました。その上で、沢岡名誉学長は、H2Aロケットの後継機となるH3ロケットについて、
ライバルとなるアメリカのスペースXのファルコン9ロケットに負けないコストまで下げられるかというと、非常に難しい壁にぶつかってくる。それをどうやって突破するか、信頼性の次はコストが鍵だとなどと話していました。次に、中国に返還される和歌山県白浜町のジャイアントパンダ4頭が昨日午後、専用の飛行機で関西空港を出発しました。
中国に返還されるのは白浜町のテーマパークで飼育されていたメスのジャイアントパンダ「ラウヒン」とその子供たち「ユイヒン」、「サイヒン」、「フーヒン」の4頭です。4頭は昨日午前8時半前に白浜町のテーマパークをトラックで出発し、午前11時過ぎに関西空港に到着しました。テーマパークによりますと、空港では担当の飼育スタッフが付き添い、
竹や水、リンゴを与えながらケアをし、4頭とも落ち着いた様子だったということです。そして専用の飛行機に移された後、スタッフなど70人が見送る中、昨日午後3時半ごろに返還先の繁殖施設がある中国成都に向けて出発しました。スタッフたちは「頑張れ」「行ってらっしゃい」などと飛び立つ飛行機に声をかけていました。
パンダ飼育チームのリーダーを務める品川由加さんは、「機内に運ばれていくときに4頭の生まれてからの光景が頭に流れてきました。中国の環境に慣れてのびのびと過ごしてほしいし、中国の皆さんにも愛される存在になってほしい」と話していました。白浜町で飼育されていたパンダ4頭すべてが返還されたことで、
国内で飼育されているジャイアントパンダは東京上野動物園の2頭のみとなりました。そして中国メディアによりますと、4頭のパンダを乗せた飛行機は日本時間の昨夜8時前に成都に到着したということです。これについて中国動物園協会は声明を発表し、4頭のパンダを引き取り無事に帰国したとしています。
4頭は検疫などの手続きを経て、成都の中心部から10キロほどの場所にある成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で飼育されることになっています。和歌山県白浜町のテーマパーク内に2つある展示施設のうち、「ラウヒン」と「サイヒン」がいた施設には、
パンダのぬいぐるみと飼育スタッフが「サンキューオール!本当にありがとう!また会う日まで!」と書いたメッセージボードが置かれ、大混雑した最終観覧日から一転して静けさに包まれていました。訪れた人たちは涙を浮かべながらぬいぐるみを見つめたり、メッセージボードの写真を撮ったりして、パンダがいなくなったことを実感しているようでした。名古屋市の20代の女性は、
「パンダが本当にいなくなったんだと実感します。白浜にまたパンダが来てほしい」と話していました。また奈良県の50代の女性は「パンダがいない展示施設を見ていると思い出して寂しく感じます。中国でも元気に過ごしてほしいです。4頭には元気と笑顔をくれてありがとうと言いたい」と話していました。続いてスポーツです。プロ野球は6試合が行われました。セ・リーグです。
巨人対DeNAは巨人が5対0で勝ちました。巨人は4回に丸選手の2点タイムリーツーベースで先制し、6回はワンナウト満塁から大城選手の今シーズン初打点となる走者一掃のタイムリースリーベースでリードを広げました。DeNAは2試合連続の完封負けで3連敗となりました。中日対広島は広島が2対1で勝ちました。
広島は0対1の6回、2アウト1塁3塁から小園選手の2点タイムリー3ベースで逆転しました。先発の玉村投手は6回途中まで1失点でしのぎ、この後リリーフした3人の投手が無失点でつないで、最後はハーン投手が締めて4セーブ目をマークしました。
中日は5回と6回のチャンスを生かせず、9回は2アウト1塁3塁から同点を狙ったホームスティールが失敗し競り負けました。ヤクルト対阪神は阪神が2対0で勝ちました。阪神は0対0の5回に森下選手のツーランホームランで先制し、4人の投手の無失点リレーで逃げ切りました。パ・リーグです。オリックス対楽天はオリックスが7対3で勝ちました。
オリックスは3対3の5回に中川選手のタイムリーツーベースで勝ち越し、さらに2者連続押し出しのデッドボールとフォアボールで追加点を上げました。育成出身の埼玉投手は同点の5回ピンチの場面でリリーフ登板し、バッター1人を打ち取ってプロ3年目で初勝利を上げました。オリックスは3連勝、楽天は4連敗です。西武対日本ハムは、
西武が3対2で勝ちました。西武は1対2の8回、2アウト1塁2塁から長谷川選手の2点タイムリー3ベースで逆転しました。ロッテ対ソフトバンクはロッテが5対0で勝ちました。ロッテは1回に寺地選手のソロホームランや西川選手のタイムリー2ベースなどで3点を先制し、
4回にもポランコ選手のソロなどで2点を加えました。以上プロ野球の結果でした。この時間のニュース、大野拓司がお伝えしました。時刻は間もなく0時10分になります。