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cover of episode ベッドで食べる菓子パンの味とは。歌人・穂村弘さんが描く食べものの話。

ベッドで食べる菓子パンの味とは。歌人・穂村弘さんが描く食べものの話。

2025/3/3
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味な副音声 ~voice of food~

AI Deep Dive AI Chapters Transcript
People
穂村弘
Topics
穂村弘: 私は自身の感覚が鈍いことに気づき、腐った牛乳を飲んだり、服のサイズが分からなかったり、季節の移り変わりにも鈍感です。 幼少期、友達が私の大切なおもちゃを壊したことで、深く傷つき、その経験から世界への不安感が生まれました。 30代の頃、菓子パンを主食として生活していました。それは私にとって、ご飯やケーキとは異なる、独特の象徴的な存在でした。 私は、炭酸の抜けた炭酸飲料やぬるくなったゼリーなど、不完全な食べ物が好きです。それは、私自身の不完全さを反映しているのかもしれません。 長らく窓を開けずに生活していた時期があり、初めて窓を開けた時の衝撃は、私の人生観を大きく変えました。 私は、現実世界とは異なる、平行した世界が存在すると考えています。街中で、社会性よりも自分の食べたいものを優先する人を見かけると、共感し、羨ましさを感じます。 ベッドで過ごす時間を大切にしています。それは、現実逃避であり、ささやかな別世界です。 私は、日常の些細な出来事の中に、非現実的な要素を見出します。それは、喫茶店や散歩、古本屋など、様々な場所や状況で感じます。 私は、覚えられないケーキ屋さんの名前を「良い週末を」と呼んでいます。それは、私にとって、その店が持つ独特の世界観を表す言葉です。 平野咲子: 穂村さんの独特な視点と表現に共感し、様々なエピソードを通して、食べ物を通して人生観を語る穂村さんの魅力を伝えました。 穂村さんの感覚の鈍さや、世界への不安感、そして菓子パンへの執着など、独特な視点に共感しました。 穂村さんの表現する「平行世界」や「現実逃避」といった概念は、現代社会における生きづらさや、自分らしさを探求する人々にとって、共感を呼ぶものだと思います。 穂村さんの語るエピソードは、どれも印象的で、聞き手の心を掴みます。 今回の対談を通して、穂村さんの人間性や、その独特な世界観を深く知ることができました。 穂村さんの言葉は、私自身の生き方や考え方にも影響を与えてくれるものでした。

Deep Dive

Shownotes Transcript

スピナーアジナ副音声ボイスオブフード平野咲子のポッドキャストアジナ副音声ボイスオブフード第195回目、始まりました!いやー、配信日はひな祭りということで、まぁちょっと…

平野の方はひな祭り関係なく、今ノーレーズンサンドイッチのね…グランスタ東京って間もなくオープンということで、3月10日にお店できちゃいますので、ぜひぜひ皆様お越しいただきたいと思ってるんですが、準備中の私はもう本当にギリギリの状態で…

やらせていただいておりますが、今日はですね、そんな平野にもめちゃめちゃ幸せな、嬉しい、素敵なゲストの方が来ていただいているんですけれども、今日からですね、2週にわたってお迎えするのは、歌人の穂村弘さんです。穂村さん、よろしくお願いします!穂村さん、来てくださったー!

嬉しいです!よろしくお願いします!ありがとうございます!穂村さん、お久しぶりではないんですよね?そうなんですよね。平野さんとは4、5年に一度お会いするサイクルだったのに、ついに今日崩れたそうですね。ちょっと刻んでみました(笑)。

私がやっている雑誌の対談に先日来ていただいて、お話すごい楽しかったんで、今日嬉しいです!こちらこそです。本当にありがとうございます!もうなんか穂村さんは…

変わらない街のような存在…街です!あるじゃないですか、そういうなんか、あの街降りるとまた変わってない、いつものあの空気…だって西荻窪とかですかね?本当に西荻窪…

初めてお会いしたのが、私がどこの馬の骨とも知らぬ大学生の頃で…まだ学生さんでしたよね?そうです。なんか緊張しました!誰っていうのが現れて…『アルデンテ』最初に出した本もまだ出てないタイミングで、でもなぜか対談のお仕事を編集者さんが作ってくださって、私からしたらあの憧れの本…

穂村さんみたいな感じ…もう10年以上前ですね?そうですよね。本当にその頃も全く今と変わらない空気感と温度感で、キラキラした光の中で手を振ってらした姿が今も焼き付いているんですけれども、改めまして私から穂村さんのプロフィールをご紹介させてください。

穂村弘さん、歌人。1962年北海道札幌市生まれ。

1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌の友人で伊藤整文学賞、鳥肌が立つほど高段者エッセイ賞、水中抑制炎上中で和歌山県牧水賞を受賞。歌集、エッセイ集以外にも詩集、対談集、評論集、絵本、翻訳など著者多数ということで…私、文学賞の名前間違えてなかったですか?大丈夫です(笑)。ありがとうございます!(笑)電話したか…

はい(笑)。もうそんな風にね、あらゆる領域でご活躍の穂村さんなんですけれども、今日はちょっと食べ物についてのお話しさせてください。やばいですね!(笑)やばいです?なんでですか?味覚が…味覚が…なんですか?あの、穂村さん、結構エッセイ集いろいろ拝読していると、意外と食べ物の描写が多いなっていう…そうですね。はい。食べ…

失敗が多くて…いろいろ…でも確かになんか「あれが美味しかった」「これが美味しかった」「こんな感動的な経験をした」っていうよりは、戸惑いとか疑問とか…そうなんですよね。なんかそれの中でも本当に特に印象的なのが牛乳。牛乳ね!はい。

はい。

中学生の頃、友達の家で牛乳が出てきたんですよね。「のど乾いてたからごくごく飲んだ。その後友達が口をつけて『うわっ』って言って、『これ腐ってる!』って。『お前これ飲んだんか?』って。『あー、飲んだー』って…」

分かんなかったってこと…友達のうちに腐った牛乳が出てくるっていう予想が全然なくて…確かになんか僕、頭でなんか食べてるみたいで、舌が全然機能してなくて、「食物として大丈夫かな?」っていう動物のチェック機能が…だから目で見て真っ黒になってたらさすがに飲まないよな…

それで生まれたのが、今のテキスト。2011年『観光客がいない夜の食事』に収録されてるんです。全体にすべて鈍くて…お洋服とかも…お洋服屋さんに行って、センスがないのはしょうがないとして、サイズが合ってるかどうかがわからない…

いやでもそれはわかりますよ!私もなんか革靴とかで、そうやってお店の方に履かせていただいて「きついな」って思うんですけど、「でも伸びますから!」って信じて買って…伸びるわけがないっていうのを…

なんかダボダボに見えるなって思ってると「これはたっぷり目で切るものです」とか、まやかしの言葉で言われると「そうなのか」って…わかるでしょう?って言われるんですけど…わかる人はわかる(笑)。牛乳もね、舌をつけた瞬間になんかそういう…

不安な気持ちで…いつもこうなんかちゃんと自分の中にないから…でも食べ物は平野さん、あるでしょう?自分の中に…そうですね。食べ物だけは発達していて…

結構それ以外は厳しい(笑)。私、一回穂村さんが、それこそお洋服の話になっちゃいますけど、「衣替えのタイミングがわからない」っていうのが書かれてて、「半袖に着替えるのが人より1日だけ常に遅れてしまう」って…今もなんかむちゃくちゃ汗が出てきていて…

これちょっとスタジオの問題かもしれないから下げてもらえたら焦るんですけど…人が半袖になったのを見て真似をして…

真似なんですよね(笑)。でも私、その感覚勝手に共感しちゃうんですけど…この自分のわからなさのせいで、この一瞬だけ訪れる春の心地よさみたいなものを自分だけがこの世界体感できてないみたいな…なんか昭和の頃は全てがもっと解像度が今みたいじゃなかったから…へー…

ラーメン屋さんに行ったら「ラーメンかチャーシュー麺か」みたいなね。「味噌ラーメンか」でも今ほら、カスタマイズ、トッピング、麺の種類、硬さ、トッピングを自分にとって最善のものを…自分が、あなたが選ばなくて誰が選ぶんですかっていう突きつけてきますよね?感じになるんで…ちょっと「お任せします」ってね。「お任せ」で…

わかるー!(笑)起きますよ!でも私もこの間ラーメン屋さん入ったら、「あのお好みどうしますか?」って言われてわかんなかったから「普通で」って言ったら、なんか怒られ…そうそう!なんか周りのお客さんが「は?」みたいな「普通なんだ」みたいな「え?なんで?」ってなってすごい…

本にサインしてた時、そういうイベントで並んでたお客さんに「ズボンの裾、気持ち短くないですか?」って言われたことがあって…「そんなことない…」

そんなついてくる人いるんですか?(笑)頭が一瞬真っ白になって…「お店の人はこれでいいって言ってますよ」って…すごいなんか自己責任じゃないみたいにあーわかる…「お店の人とあなたで直接話し合って決めてください」みたいな。「私はいいです」みたいな。「私は決めてないです」っていう…それに従いますみたいな…

でもなんか穂村さんって、世界へのわからなさみたいなのはずっとそばにあるものなの?今言ったような不安感がずっとありますね。昔からそうなんですね。だから主観だから…要は主観さえちゃんとしてれば全然いいわけじゃないですか?人がどう言おうとも…そうですね。それが揺らぐんで…

私が法律だって思い切れない…僕は…平野さんは主観すごい強い…生まれた時からアルデンテみたいな…食べ物だけはね、強気…

子供の頃ってでもそういうことで苦しい思いされませんでした?しましたね。子供の頃、クモの巣みたいにパーって広がるおもちゃがあったんですよ。で、それは当然使い捨てで…でも僕、毛が小さすぎてシールも貼れなかったし…完全保存版で貼らないとシールじゃないんだけど…確かに機能としては…でも貼ったらもうそこから動かせない…確かに…

もう二度とクモの巣…これを投げるとパーって花吹雪みたいになるんだ…それをたまたま遊びに来た友達が「おクモの巣じゃん!」と言ってバンバン投げちゃったことがあって…それで…でも言えない…投げるもんだから…それが「投げないで!」って…で、友達が帰ってから泣いてたら…

母親が「どうしたの?」って。「クモの巣を僕が大事に投げられなかったクモの巣をたーちゃんがみんな投げちゃった」って言ったら「じゃあ今からおもちゃ屋さんに行って買いに行こうね」って言って買ってもらったけど…それも投げた記憶がないですね(笑)。

すごい…もはやその完成形というかゴールじゃない…その手前であり続ける方が…でもそんなんじゃダメですよ!そんなんじゃ死んじゃうもん!クモの巣を投げずに…シールを…シール貼ってみたかった…額みたいに…

シール貼ったらどんな感じだったの?タトゥーとか入れる人の、その強さ…確かに!(笑)タトゥーの眉毛とか入れたらずっとその角度で一生過ごす覚悟ですよね?そのリアリティを刻んじゃうって…それだけでみんなはそんなに…

いけるんだって…いけないし…で、でもダメだって…このままじゃ何も…全部ビクビクしたまま人生が終わっちゃうから…悩み相談みたいないやでもその「向こう岸に行かない手前」っていうのがすごい穂村さんの表現とかとも繋がってくるんだなって勝手に理解してるんですけど…

でもわかるな…私、この間福岡の空港の近くに超大人気の天ぷら屋さんがあるんですよ。天ぷら定食のお店なんですけど、もうすごいいつも大行列してて、一回も行けたことがないんですけど…結構空港に早く着いたので「今度こそ並んでみよう!」って思って…それで並んでたんですけど、一向に列が進まなくて…でも食券買うと…

未来のどこかで…

使わせてもらえたのかな…でもその時に食べれた天ぷら定食よりも、今この食べれてない天ぷら定食の方が美味しいっていう謎の感覚になって…

確かに…こうやって話せるのは食べれなかったからで…食べて美味しかったって話だと「良かったですね」っていう…それはそうですね…もしかしたらそれでいいのかなみたいなことを…今ちょっとクモの巣投げられていたら覚えてないんですもんね(笑)。多分そんなおもちゃのことは…確かに友達が投げちゃったから忘れられないっていう…

いやー、あと私、穂村さんと食べ物のエピソードでちょっと過去の話で申し訳ないんですけど、「ベッドで菓子パンを食べている」っていう…食べてましたね!(笑)チョコチップが点在している9本入りぐらいの、あの菓子パンが主食みたいだった時が…それっていつ頃の時期の話なんですか?30代ぐらい…えー!

実家に住んでて、実家の自分の部屋にこもってたんですけど、母が心配して「あれなら食べるって知ってるから」ってあれを買って…玄関の横が私の部屋だったんですけど…で、タバコの上にあれをお供えみたいに置いておくんですよ。「食べてくれますように」みたいな(笑)。多分だから宅急便のお兄さんとかは「玄関にチョコチップパンがいつもあるうちだな」って思ってたと思うんだけど…

口の中の水分がすごいなくなるんですけど、それを食べて暮らしてました。それをお布団の上で食べてたんですよね。寝たまま上を向いて食べてましたね。

なんかその時の結構詳細な描写が『世界音痴』って本にも出てくるんですけど…エッセイ集ですよね。なんか食べ方の描写が「モグモグ」とかじゃなくて「ツツー」みたいな…飲む?棒パンを「ツツー」って飲む?そうそうそう!

「ツツー」って…多分私勝手にチョコスティックパンみたいなやつのことだろうなって勝手に思ってたんですけど…なんか剣を飲む手品師みたいな…そんな30代の男性…したんですね(笑)。惹かれるって思わなかったんですかね?そんなこと書いて…今なら隠しますけどね(笑)。

でもなんかその時のタイトルが「菓子パン地獄」って書いてあって…あっ「天国」じゃなくて「地獄」なんだと思ったんですけど…地獄だったんですかね?主観的にはね…やっぱり「これじゃいけない」っていう…お母さんの棒パンを30代で毎日食べていて…なんかいけない…昔…

バレンタインのチョコを母親しかくれなくてね…それで怒っちゃったことがあって…母親に「いやおかしい!怒りの矛先違う!お前が俺にチョコを渡すから本物のチョコがもらえないんだ!」みたいな…間違ったロジックがおかしい!超間違ったロジックで…

でも生涯2番目にもらったチョコは就職した後、保険屋のおばさんがくれたチョコで…それもなんかギリと言うかな…本当のチョコじゃないみたいな…それも怒りだった…言いませんけどね(笑)。保険屋のおばさんに「ふざけんな!」とか…そうか…

実力の無さをこう人のせいにしてたんですね(笑)。いやいやいや…えー!でも当時の穂村さんにとって、その菓子パンっていうのはなんか…いかなる象徴だったのかなみたいな…なんか…だから自分の象徴…あー…

ケーキでもなくご飯でもないものっていうんですか?ご飯は主食で大事なものでしょう。ケーキやチョコは何かそれとは別の意味の試行品…菓子パンってなんか微妙な位置づけで…でも僕、そういうものが…

炭酸が抜けた炭酸とか…すごいそういうものが好きで…でもちょっとわかるな…え、ぬるくなったコーヒーゼリー食べたことありますか?コーヒーゼリー自体あんまりないんだけど…美味しいんですか?いや、もうなんか肝っ玉が…うまいって感じで結構やばいんですよ(笑)。なんか…なんかしけたせんべいとか…その何かこう…

そういうものが…でも割と本当に好きで…でも行ってたまにいますよね?います!います!マラソンランナーが気の抜けたコーラをあえて走りながら…だと多分飲めない…炭酸が強いと飲めないんじゃないかと思うんですけど…なんかそれはね、一応実用的ななんか理由がちゃんとしてる…ちゃんとしてる…別に僕はマラソンやらないんですけど…

なんか私、その時の描写でなんか菓子パンも食らったんですけど…そのお部屋の窓をずっと開けたことがなかったで…あの空気が悪いと感じたらバファリンを飲んでいたっていうのが…間違ってますね(笑)!いや、なんかすごいちょっと震えたっていうか…

まずは窓を開けて換気をしてとか…そうですね…そっちですよね…なんかそれが思いつかなくて…友達が部屋に来て窓を開けた時、すごいびっくりして「窓が開いてる!」みたいな…初めてなんか…

見たんですよね…自分の…でもなんか全てつながってる感じが…そのお供えみたいに菓子パンを窓の開かない部屋で食べ続ける感じとか…

そのつながりで思ってたのが、穂村さんって結構描いている、そのご自身の話もそうですけど、街の方とか隣で出くわした方とか、看板の話とか…なんかいろんなものの中に「これってなんか非現実なのかな?」とか、なんかこうそういう手触りのあるものをよく発見されているイメージがあるんですけどね…すごく…

いつもズレを感じてるから…自分の本当の世界がパラレルサイドにあるんじゃないかみたいな…でもオタク気質の人は、ある程度そういう感じはあると思うんですけど…それを、その兆候を街中で見かけると「ついに僕を迎えに来た!」みたいな…運命の人ですか?って思いがちな…

でもわかるな…私は社会性よりも今の食べたいっていうのを優先してる人を街で目撃すると嬉しくなってしまうんですけど…僕も…ガン見…自転車前でお母さんらしき人が漕いでて、小学生女子だと思うんだけど、後ろでカレーライス食ってる女の子見たこと…

えー!食べれるんだー!おにぎりとかじゃないんだー!って…タッパーに入ってたから最初何かわからなかったけど…まぁ子供だからってこともあるのかもしれないけど…僕はきっと一生自転車でカレーは食わないだろうなって思ったら羨ましい感じが…うんうんうん…

本人はね、子供だからね…「やだやだ」彼みたいに言ったのかもしれないけど…なんかちょっとギョッとするような感じもあって…確かになんか…あと、うちの妻は「1日中ベッドから出ない日」っていうのをやってみて…

くて…やっぱり子供の頃、親に協力を頼んでご飯を全部ベッドに運んでもらって…「トイレどうするの?」って聞いたら「枕を持っていけばいい」っていうルールって…

ベッドを拡張してるってこと?どういう子供だからね(笑)!でもそれが妙に面白くて…枕を抱いていけばベッドから出なかったことになるんだみたいな…なんかでもこれもささやかな別世界というか…そうですね。

やっぱり子供の頃は「プールがゼリーだったら」とか「食べながら泳ぐ」とか…でもだんだんそっちにウエイトがなくなっていくんで…確かに…

でもあれなのかな…なんか抑圧されてしまうんですかね?大人になるにつれて…平野さん、超戦ってるじゃないですか?その全方面からの…ジャンヌダルクの…ジャンヌダルクのように…そんなにいろいろ背負ってないですけど…僕、いつも敵を作るのを恐れない文章だなって思いながら…怖い…

だいぶ柔らかくなったんですけど…でも子供の頃にそういうものをちょっと折られる経験とか、恥ずかしいって感じさせられることってなかったですか?うちはわかると思いますけど…過保護で棒パンを備えられたりしてたから…下手を取ったイチゴとかがなんかうやうやしく…

イチゴに初めてヘタが当たるのを見たみたいな…でも学校はそうはいかないじゃないですか?容赦ないから…もちろん会社はね、容赦なく強制される…平野さんはどうですか?そういう時の…

私、子供の頃生麩田楽が大好きで…渋すぎません?(笑)でも本当に大好きだったんですよ!生麩も田楽も知りませんでしたよ!(笑)子供の頃大好きで…それを小学生の頃に水曜日だけお弁当の日があって…

母が入れてくれたんですよ。それはその日はもう起き抜けで嬉しくて…お昼ご飯を待望っていう感じで…昼になって…聞いて…生麩田楽で木の芽味噌がついてて…すっごい緑色…

ブルブルしたものだったんですけど…それを食べてたら隣の席の子に「ひらちゃん、スライム食べてる!気持ち悪い!」って絶叫されたんですよ!でもドッとクラス中に笑われて…もうそれ恥ずかしくてもう未だに悲しくて恥ずかしくて忘れられない…その子も…だから生麩も田楽も木の芽味噌も出会うのは15年後ぐらいだから…あーそうですね…

今思うと些細なんですけど…結構ああいうイノセント時代においては切実っていうか…言った方は忘れてますけどね…言われた方は忘れないですよね…

なんかそういうものをでも抱えながら大人になった結果…穂村さんみたいな方っていうのは…そういう街の中で不思議な異世界とつながる扉を見つけたりとかされてるのかなと思って…勝手に…良かったって思ってるんですけど…何か…

平野さんもでもそういう感じじゃないですか?ブルボンの菓子がプリンセスであるとか言われればね…あのなんか高貴な名前をみんな持って…衣装もなんかドレスっぽい…しそうなんですよ…

謁見を賜るみたいな…あれがドラッグストアに紛れてると…姫みたいな…気持ちの…城へ帰りましょう…勝手に話しかけて…踊り…ヘップバーンのね…そうです!庶民の街にプリンセスが出て…一つ一つ新鮮で…みたいな…勝手にそこまでブルボンから思っちゃうっていうのは…あー…

かなりパラレルワールド…パラレルってマジかね?(笑)脳がパラレル化してる(笑)!でも、穂村さんは散歩はお好きですか?散歩大好きで…散歩と喫茶店と古本屋さんがあれば結構…

以前、散歩しましたよね。仕事で散歩って、すごい良い仕事だなって思いました。確かに楽しかったです。どんなところが好きですか?散歩は、なんか迷子になるのが好きで。だからなるべく知らない角を曲がって、知らなそうな匂いの方にどんどん行きます。

分かります!でもね、そしてパラレル感のある匂いのするものを何か見つけようとします。うん、あの小さなコミュニティバスみたいなのに乗ったりとか、ハチ公バスみたいなね。そういう感じで迷子になるとすごくドキドキする。なかなか大人になって迷子になれないですよね。なろうとしないとね。あの、なれないのに。

あと、結構誰かと一緒じゃ曲がれない角も多いなって思うので。エローノさんは、でも一人行動割とできそうですね。私も散歩を一人でするのが好きで、結構その、なんかパラレルに似てますけど、その時空の歪みを徒歩でまたぐみたいな感覚が好きなので。そういう変な角を曲がった先で、なんか古い時空がこう、うずくまってるっていうか。はい。

なんか大きいクマみたいな感じで歩いてたなーって思って。でもそのクマは数年後にその場所がザ・ブダーヒルズになりました。あーすごいですね!それは魔法というか。

魔法なんですかね?時空が接続された。まあでも日本の街って割と元々そういう、突然時空が切り替わるみたいな感じはありますよね。そうですね、混在してるというか。ありますよね。なんか上野の坂から上谷に降りたところとかも、完全にいきなり世界が変わる感じとかね。びっくり。

和菓子のコバルトっていう店を見つけたことがありますけど、すごい接続されてますね。どういう接続?和菓子のコバルト、接続感がすごいな。パジャマのニューコアラと。

なんかすごいぴったりだなって。パジャマのニューコアラ。めっちゃいいコアラ。パジャマ着ないと思いますけど、なんかパジャマ屋さんのニューコアラっての見たい。でもコアラマットレスっていうすごい人気の、今マットレス屋さんが新しいスタートアップであるんで。じゃあ接続されたことだまで穴がち間違って接続されていくんですかね。

喫茶店はなんで好きなんですか?小さい別世界っていうイメージで、高校生ぐらいの時捉えてましたね。そんなに行動範囲も広くないし、高校生ぐらいだと自分が逃避できる別世界って、図書館と喫茶店みたいな感じで。

その他にも、無理やり知らない駅で降りて初めての床屋さんに入るとかやったことあります。それ結構勇者じゃないですか!でもそうね、割と失敗率が高くて。喫茶店の方が。でも分かるな。喫茶店って本当にその扉の先に一つの世界があるなって思うので。

やたら甘い紅茶とか勝手に出してくるじゃないですかなんかビビるなみたいな。すごいネーミングを勝手につけ。つまり店主の人の作り出した魔法の世界だから。どんなに奇妙な名前をつけられても、こっちはこう、「この名前はないんじゃないですか?」と。「嫌なら来るな」っていう話。そういう店主に出会うと嬉しくなりますよね。うん。

私なんかフラって散歩してて入ったよろず屋さんなんですけど、そこは店主が一人でレジに座ってタバコを吹かしていて、後ろを振り返ったら2匹の鳥がいたんですよ。「鳥がいるな」って思って、その鳥を見てたら店主のおじさんが突然「歌を忘れたカナリアだよ」って言ってきてびっくりした。「何何?」ってなって。

忘れられない思い出が今思い出しました。鳥肌が!鳥肌が!それはすごいですね!立っちゃって。まあでもワールドですからね。ワールドですよね。

あとなんか穂村さんが何かのエッセイで、黒板のなんか飲食店の張り紙に「今日は急遽恩返しに行くためランチを休ませていただきます」っていうのを見つけたって書いてあって、そんなことある!って思いました。日本昔話みたいな感じですかね。恩返しって何なんだ?書用とかね、給用とかいろいろ書き方はあると思うけど。

なんかそこにもちょっとこうワールド、その人の世界を感じましたね。確かにな。でもなんか本当にささやかな日常からそうやって別の世界に行けるんだなっていうのを改めて思って。

いるんですけど、なんか現実逃避って、お茶とかしてると言われるんですけど。でもなんかそっちのところでドキドキワクワクしてる方が生きてんなって実感があるみたいな感覚があって。僕も全くそうなので。でもやはりマジョリティではないんですよね。

平野さんとね、散歩した時等身大のお人形を見ましたよね。お人形に等身大っていう概念があるんだよ。等身大のお人形。確かに確かに見ましたね。そんなことなんか覚えてますけど。いやーでもなんかあの、本当に穂村さんとお話ししてるとすごい。

これで良かったんだみたいな。勝手にここでだけ合意してもどうでしょうね?大丈夫ですかね?危ないかな?この外の世界は本当は…。今週ちょっと好きな食べ物を3つお聞きしたかったんですけど、ちょっと私がいろいろお話を膨らませすぎちゃってのびのびなので、来週お聞きしてもよろしいでしょうか?考えます。ありがとうございます。

アジナ副音声、ボイスオブフード。はいというわけで、今日は歌人の穂村弘さんを迎えていろいろと話を伺ってまいりました。穂村さん、ありがとうございました。いやー、なんか穂村さんの持ってる食べ物のお話、本当にいろいろなんかゾクゾクワクワクして面白いです。

大丈夫でしたかね?大丈夫です。私なんか一個すごい穂村さんのお話の中素敵だなと思ってたエピソードで、近所の長くて覚えられないケーキ屋さんを「良い週末を」って呼んでるっていう。あの、いつも「良い週末を」って挨拶してくれるんですよ。だからその横文字のかっこいい長い名前なんだったんで覚えられなくて。赤い…。

「良い週末を」っていう店だと。でも週末じゃない日に行ったらなんて挨拶されたのかが思い出せないんですよね。いいなぁ。「良い週末を」。脳内ですよね。

私の小学生時代の友達に「あの夏」っていうあだ名の友達がいたのを、それを見て思い出しました。なんでそうなるの?わかんない。それ全く覚えてないんですけど、「あの夏」って呼ばれてました。

気になるなぁ。それだけになる。なんで「あの夏」になったんだろう?全然思い出せない。「あの夏」って言ったと。小学生の夏なんて記憶力で言うと4つか5つぐらいしかないでしょ。かなり限られた夏なんですけど、「あの夏」っていうなんか不思議なイントネーションで覚えてました。知りたい。

というわけで、来週も引き続き穂村さんと食べ物の話もですけれども、あとは食べ物と値段の話とかいろいろとお聞きできればと思っております。来週もよろしくお願いします。そして今日もアジマートBASE支店のおすすめ商品をご紹介したいと思います。「山盛り卵」の山盛り卵20個です。

はい、こちらはですね、福岡県浮羽の山盛養鶏場さんで1日500個しか取れないこだわり抜いた希少な卵ということで、朝に収穫した卵を新鮮なまま直送してくださって、もう本当にね、私もいただいたんですけれども、もうね、新鮮すぎる卵っていうか、割った瞬間にね、本当にこうプリンっていう、なんか命っていう感じがあのー。

すごく感じられる卵で、しかも黄身がね、すっごい綺麗な薄いレモン色なんですよね。なんかその色味も本当に綺麗で。まあその着色、着色っていうかね、飼料にね、色がついてるものとか食べると、あの黄身の色って濃くなったりするんですけれども、そうじゃない。本当にあのピュアな卵色の黄身っていう。

よね。ものもあのー、楽しむことができるということで、あの、お店のおすすめでは醤油じゃなくて、お塩で卵かけご飯もいいよーっていう風に書かれてました。私もやってみたんですけど、確かにあの全く臭みがないので、すごく美味しく食べることができました。

しかもね、普通のスーパーで流通してる卵より多分直送だからっていうのもあって、賞味期限ちょっと長かったです。私が届いた時にそうだっただけかもしれないんですけど。なので20個って多くね?ってなるかもしれないんですけど、割とむしろ賞味期限内に全然なくなっちゃうくらいは別に食べれると思いますので、ぜひぜひ卵好きの方はこちら試してみていただきたいなと思います。

アジマートBASE支店はエピソードの概要欄から、またインスタグラムのプロフィール欄にもアジマートBASE支店のリンクを貼ってありますので、そちらからぜひチェックをお願いします。お買い物の際TAポイントを500ポイント貯めていただくと、チーム味オリジナルTートと交換ができます。

引き続きアジナフレンズたちの好きな食べ物のメッセージをお待ちしています。紹介された方には番組オリジナルステッカーをプレゼントします。ひろのさきこが届けるアジナフコンセイ、ボイスオブフード。次回も食べ物への愛を声にしてお届けしていきます。あーお腹すいた!ここでスピナーからのお知らせです。

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