11 時の NHK ニュースです 66 年前の 1958 年にアメリカの水爆実験で海上保安庁の船が被爆した広島長崎ビキニ事件に続く第 4 の被爆ともいえる事件について被爆直後に派遣されたアメリカの軍医の報告書を分析した医師が講演しこの事件は重要な問題を提起していると話しました
講演会は全国の医療機関で作る団体がオンラインで開き広島で長年被爆者医療に取り組んできた斉藤治医師が 1958 年に海上保安庁の船が太平洋上でアメリカの水爆実験に遭遇して被爆した事件について講演しました事件の翌年乗組員の一人が急性骨髄性白血病で死亡したことについて
国は当時被爆の線量は微量で直接関連付けることは困難だとしましたが NHK が斉藤医師とともに被爆直後に派遣されたアメリカの軍医の報告書を分析したところ乗組員の一部に重度の白血球の減少が起きるなど体に深刻な異常が起きていると指摘していたことが分かっています今日の講演で斉藤医師は報告書について
乗組員の一部で頭痛や倦怠感、口と唇の乾燥といった異常が出ていたことも記載されていたとした上で診断の所見と微量とされた被曝量の関係について矛盾とか理屈に合わないと表現し悩みながら書かれていると述べましたそして第 4 の被曝ともいえるこの事件は
低い線量の被曝が急性骨髄性白血病の発症につながるのかという点で重要な問題を提起していると指摘しました講演の後斉藤医師は当時医学的に十分に解明できないまま国が結論付けていたことが見えてきたので今事実を明らかにするため国も尽力してほしいと話しました
22 万人を超える死者、行方不明者を出したインド洋大津波から 20 年となるのを前に最大の被災地となったインドネシアのアチェ州で日本の支援で整備された津波避難タワーを使って地元の子どもたちが迅速な避難の方法を学ぶ訓練が行われました 2004 年 12 月 26 日インドネシアのスマトラ島沖で発生した巨大地震によって
東南アジアからアフリカ東部までの広い範囲に津波が押し寄せ 22 万人以上もの死者行方不明者が出ました当時インド洋には広域の津波警報システムが整備されていなかったことや 住民の防災意識が不十分だったことなども被害の拡大につながったと指摘されています
大津波から 20 年となるのを前に 16 万人を超える人が犠牲となった最大の被災地インドネシアのアチェ州では今日沿岸部の小中学校に通う子どもたちなどおよそ 150 人が参加して避難訓練が行われました訓練は沖合でマグニチュード 8.5 の地震が発生し津波警報が発令されたという想定で行われ
子どもたちは一旦校庭に集まった後教員の誘導で 200 メートルほど離れた 4 階建ての津波避難タワーを早足で登りおよそ 5 分で避難を完了させました訓練を企画した JICA 国際協力機構によりますとこの津波避難タワーを含めアチェ州には日本の支援で 3 棟の避難タワーが整備されているということです
参加した男子児童は津波に巻き込まれないため地震が収まったら高いところに逃げるように教わったと話していましたジャイカインドネシア事務所の小野望次長は避難タワーがあることを知ってもらいいざという時に逃げられる体制を整えてほしいと話していました以上この時間のニュース小野拓司がお伝えしました時刻はまもなく 11 時 5 分になります