</context> <raw_text>0 11時のNHKニュースです。金融庁は、出向していた金融庁職員となっていた32歳の裁判官がインサイダー取引をしたとして東京地検特捜部に刑事告発されたことを受け、この職員を懲戒免職にしたことを明らかにしました。証券取引等監視委員会は、金融庁の企画市場局企業会計課に出向していた佐藤総一郎裁判官(32歳)が、
職務を通じて知ったTOBの未公開の情報をもとに、今年4月から9月にかけて、自分名義で10の銘柄を合わせておよそ951万円分買い付けた疑いがあるとして、金融商品取引法違反のインサイダー取引の疑いで東京地検特捜部に刑事告発しました。これを受けて金融庁は、出向していた金融庁職員となっていた裁判官を今日付で懲戒免職とする処分を決めました。
また、所属していた課長を減給13ヶ月としたほか、企業市場局の前局長と現局長の2人を戒告としました。これについて加藤金融担当大臣は、「金融行政に対する信頼を揺るがすのみならず、金融市場そのものの信頼を揺るがすものであり、あってはならないことで、大変遺憾だと感じている」と述べました。その上で、職員の上司を処分したことについて加藤大臣は、
「規制当局の担当者による違反は社会的影響が非常に大きいものであり、監督責任を重く受け止めた」と述べました。一方、最高裁判所の徳岡治人事局長は、「裁判官だったものが告発され、懲戒免職処分を受けるに至ったことは誠に遺憾だ。このようなことは決してあってはならず、一層の綱紀の維持を図ってまいりたい」とコメントしています。
学校給食の無償化について、政府は全国で実施した場合の課題をまとめました。アレルギーなどが理由で給食を食べていない児童生徒らに恩恵が及ばないことや、少なくとも4800億円余りの安定財源が必要になることなどを指摘しています。学校給食費をめぐっては、野党側から全国での無償化の実現を求める声が出ていることなどから、文部科学省は実施した場合の課題をまとめました。
それによりますと、全国の学校で給食の提供を受けている児童生徒はおよそ881万人いる一方で、アレルギーといった個別の事情で弁当を持参しているケースや不登校の場合など、給食を食べていない児童生徒が61万人ほどいて、一律に無償化してもこうした人たちに恩恵が及ばないと指摘しています。
また、生活が困窮した世帯に対しては基本的にすでに無償化されているため、格差是正の観点も乏しいとしています。さらに、公立学校に限って実施した場合でも、食材費として4800億円余りの安定財源の確保が新たに必要になるなどとしています。政府はこうした課題を踏まえ、全国で学校給食費の無償化を行うべきかどうか、
子育て支援や少子化対策の観点からも丁寧に議論を進めていく考えです。続いて、2040年に向けた介護サービスの提供体制についてです。厚生労働省によりますと、2040年には85歳以上の高齢者は1006万人と、2025年と比べ42.2%増加し、介護職員は56万6000人が不足するとされていますが、
介護サービスの需要については、都市部では増加が見込まれる一方、中山間地域や人口減少地域ではすでに需要のピークを過ぎて減少に転じているところもあるなど、地域によって差が生じているということです。このため、2040年に向けて地域ごとに介護サービスの提供体制のあり方を検討する必要があるとして、
厚生労働省は検討会を立ち上げて議論を始めることになりました。来月初めての会議が開かれる予定で、事業に応じたサービスの提供体制のほか、介護人材の確保策や介護事業者の経営面の支援などについて検討し、来年の夏をめどに案を取りまとめ、必要な制度改正に反映させていく方針です。幅良がお伝えしました。時刻は11時5分になります。